2020.11.09

ヒシダデンキの歴史 社長ブログ

ヒシダデンキの歴史 第3回『サンタクロースの贈り物』

ヒシダデンキの歴史 第3回『サンタクロースの贈り物』

当社は、1964年(昭和39年)に創業し、本年(2020年)で創業から56年目を迎えました。おかげさまで、新しく当社をご利用いただくお客様も毎年数百世帯のペースで増えており、またここ数年、従業員数も増えて参りました。現在に至るまでのヒシダデンキには様々な転換期があり、その折々に、お客様がいてくださったから、という想いがあります。そうした当社の理念や想いをお客様や従業員に伝えられないかと思い、私の記憶に残る当社の歴史を綴らせていただければ、と思っております。拙い文章ですが、よろしければご一読いただけますと幸いです。

代表取締役 脇口 貴行

ヒシダデンキの歴史 第3回『サンタクロースの贈り物』

『手紙を靴下に入れてぶら下げておけば、プレゼントがもらえる』そんなサンタクロースのシステムを私が知ったのは小学1年生の時でした。もう嬉しくて、楽しみで家族中にその話をし、『ラジコンカー』がほしいと手紙に書き、靴下に入れて、来るべき日を楽しみに過ごしていた記憶があります。

 

そして、12月25日の朝、父は私を起こし、姉と一緒に店の準備に行こうと声をかけました。

父はどんなに慌ただしくても、毎朝、事務所にある神棚を祭ることを欠かさない人でした。冬休みなどの休みの期間は、私たちも一緒に神棚へ手を合わせ、店の開店準備を手伝うこともあったのですが、クリスマスの日、私は神棚に手を合わすと、すぐ横にある何かの赤い箱を見つけました。『えっ!なになに!!』と興奮を隠せない私は、父にその箱を取ってもらい、中を開けると、そこにはなんと、ラジコンカーが入っているではありませんか!!『サンタクロースって本当にいるんだ!そういえば、夜中にシャンシャンと『そり』の音がしてた!!』と姉に得意げに話をしていたことを思い出します。

この時の思い出は、今では自分も親となり、子供の喜ぶ顔を見る幸せがわかるようになった私にとっては、当時の父のことを少し理解できるエピソードでもあります。

 

小学校が長期の休みのときは、私は一人で店番をすることもあり、乾電池を買ってもらったら、紙袋に入れてお客様に渡して、お金を頂戴したら、レジを打ってお金を入れて、といった一連の作業を母から習い、お客様が、お帰りの際にお辞儀をするときは、「ありがとうございました」と言葉に出すだけでなく、心の中でも『ありがとうございます』と念じながら頭を下げるように教わりました。心のこもった挨拶や言葉は、必ず相手に伝わるから、と教えられたことは今でも心に残っています。

 

留守番をしているとお客様との交流が結構あり、またその当時から、30年、40年もの長きにわたって、当社をご利用いただいているお客様も多くいてくださいます。そうしたお客様から、叱咤激励のお言葉をいただくこともあり、そんな時は、当社のことを思っていっていただいていると感じ、涙が出るほど嬉しくもあります。こうしたお客様との絆は、他界した父や今も頑張ってくれる母から、私や弟に引き継がれたものだと思っています。こうしたお客さまとの繋がりは、自分にとっては、ラジコンカーのように想いの深い(サンタクロース?からの)贈り物でもあります。

 

一人ひとりの大切なお客さまがいてくださって、今のヒシダデンキがあることを、今のスタッフにも伝えていき、お客様とのご縁を大切にできる会社であり続けたいと思っています。